リノベーションとリフォームの違いにはあくまでも明確な定義では
ありませんが、ここであえて区別するとしますと、以下のような感じなります。
リフォームというのは、あくまでも現在の建物の役割や風合い、
イメージなどを持ったまま建物に手を加え、壊れている箇所を修繕し、
使い勝手などを向上するもの。
それに対し、リノベーションというのは
その建物が本来持っていなかった価値を新たに加えることにより、
用途そのものが変化することも含まれるもの。
こんな感じになりましたが、皆さんがお持ちのイメージはいかがでしょうか。
考えてみると、京都の町屋というのは住居でしたが、
それをカフェに変えてしまうというのはリフォームではなく、リノベーションです。
まず、なぜリノベーションが今流行りつつあるのかという点を
時代背景という視点から考えてみたいと思います。
今まで、「スクラップアンドビルド」が主流だった日本。
どちらかと言うと新築指向が強い国でした。
つまり、建物の使い捨てです。
しかし、その流れは90年代のバブル崩壊後になると、
今まで通りにはいかなくなります。
経済状況悪化の影響を住宅業界はまともに受けてしまいました。
新築になれず、築年数が高めのマンションが、どんどん増えていきました。
その状況を、問題視する人たちが現れ、
中古物件を再生できるリノベーションが注目されるようになりました。
「リノベーション」という言葉は、その定義があいまいです。
同じ建築業界であっても、不動産と住宅業界は、
認識が違っていたりすることもあるでしょう。
それでは、テーマをマンションに絞って考えてみましょう。
ここでは、リノベーションの定義を
「自分たちのライフスタイルに合うように行なう
大規模なリフォームを中古物件に行い、
既存建物の歴史や特徴を再認識し、
付加価値をつけて、建物として再生させること」
とします。
「建物保存」の考え方から生まれた用語は、
リフォームやコンバージョン、そしてリノベーションなど、
違いがわかりにくいので、今回は以上のように定義しています。
この定義を元に、リノベーションについて説明していきます。
町屋というのは江戸時代に建てられたものが多いので、どうしても
現代の人が住むとなると珍しくてオシャレかも知れませんが、毎日の
生活をしていく上で住みやすいのかどうかというと、そこには「?」が
付くと思います。
リノベーションというのは、この問題を解決することを目的としています。
古い建物だから仕方ないとあきらめるのではなく、現代の人が住んでも
快適に過ごせるように、それでいてその建物が本来持っている価値や
風合いをしっかりと残す。ここにリノベーションの腕の見せ所があるのです。
住まいが快適かどうかというのは、まさに原点です。
リノベーションの目的というのは、この原点をしっかりと踏まえたもので
あるべきだと思います。
リノベーションとは、既存の建物に改修を加えることで蘇らせて、新たな価値を創造するという意味合いの言葉です。
京都では築年数が非常に古い町屋が改修されてカフェになっているような事例をよく目にしますが、これなどは典型的なリノベーションです。
町屋というくらいですから、元々は町人の住居であった建物です。
これに対して改修を加えることで現代のカフェとして再利用するのですから、「建物のリサイクル」と言っても良いかも知れません。
快適な住まいというのは、住む人の価値観で決まります。
他人が見ればとても窮屈に見えるような住まいでも、住んでいる本人にとっては快適な城である場合があるのです。